【第53回】【日本】広島「原爆ドーム」の歴史について - 「完成は100年前」って本当?
Oct 9, 2020
特定非営利活動法人世界遺産アカデミー (Owner)
にしだてるひこ
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今から20年前の第20回世界遺産委員会は、平成8(1996)年12月2日~7日にかけてメキシコで開催されました。2002年以降の世界遺産委員会は6~7月にかけて開催されていますが、それ以前はおおむね11月~12月にかけて開催されていたのです。その第20回世界遺産委員会で、広島県の『広島平和記念碑(原爆ドーム)』と『厳島神社』の2件が世界遺産に登録されました。
ひとつの都道府県から同時に複数の世界遺産が誕生したのは、この年だけです。そして2016年12月7日には登録20周年を迎えるということで、さまざまな記念行事が催されています。
現在は鉄骨により支えられ、樹脂を注入されることで崩壊を免れています
オバマ大統領訪問で世界が注目 原爆ドームが完成したのは大正4(1915)年のことです。「広島県物産陳列館」という名称で、広島県内の物産品の展示・販売をする施設として建てられました。そして昭和20(1945)年8月6日に原爆が投下されました。戦後いつしか市民から原爆ドームと呼ばれるようになりましたが、復興が困難を極める中、その保存に関心がむくことはなく解体論も根強かったのです。ようやく昭和41(1966)年に広島市議会が原爆ドームを永久保存することを決議し、さらに1996年、世界遺産に登録されました。
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