【第41回】ヴェスヴィオ火山の大噴火から発掘された「ポンペイ遺跡」(ナポリ)を巡る
Oct 9, 2020
特定非営利活動法人世界遺産アカデミー (Owner)
竹本堅次
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火山活動によって形成された地形が世界遺産に登録されているケースは少なくありません。地球の生成の歴史の解明につながるほか、ダイナミックな景観をもつということから、自然遺産として登録されることがほとんどです。一方で、火山と関係ありながら文化遺産として登録されるケースもあります。そのひとつが、イタリア・ナポリ近郊の海岸沿いに位置する『ポンペイ、エルコラーノ、トッレ・アヌンツィアータの考古地区』です。
「ポンペイ」という古代ローマ都市の名前は聞いたことがあるかと思います。紀元79年、ヴェスヴィオ火山が大噴火を起こし、1万人も暮らしていた都市が一晩で消滅してしまったのです。その後18世紀に至るまで、完全に火山灰の中で時を止めていました。本格的な発掘が始まったのは18世紀半ばで、ナポリ王でもあったスペイン王が宮殿を飾り立てる装飾品目当てで命じたとも言われています。
ポンペイ遺跡のメインストリート。車道と歩道が区分されています
『テルマエ・ロマエ』を想起される風景
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